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明日はどっちだ?
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プロローグ はじまりー27.08.2011
旅に出てから一年が経ってしまった。
あっという間さ、不甲斐ない生活に帰って来ちまった。
僕は以前と変わらず、忙しなく暮らしている。だが、
これじゃいかんぜと書籍にするにあたって、物語を書き始めている。
「南米編」ブログの更新はしばしお待ちください。
今はこっちをぼちぼち進めてます故。。。。。
そんな一年記念(?)スペシャル
旅に出た直後の、プロローグ編



プロローグ はじまりー27.08.2011


 太陽はとても眩しかった。
気温は"とお"に35℃を回り、”大陸横断フル装備”の僕を責め立てた。とにかく暑い、
とにかく暑くて堪らない。近くのパーキングへと避難する。荷物満載の僕をみて、ひとりのおじさんが
「ニイチャン、すげえ荷物や。ずいぶんとまわっとるのかえ?」と、
すっとぼけた口調で聞いて来た。
「ちがう、これからなんだ。鳥取から船でロシアに入り、ユーラシアを横断する」
おじさんは僕を訝しんだあと、何も言わずに去って行った。
いや、訝しんだのはおじさんだけじゃない、自分自身も、だ。
 
本当にこれから行くのか?言葉も地理もわからない国々へ。
誰よりも自分が半信半疑だった。
準備は会社を辞めたその日から始めており、うかつに捕まった免停以外は"滞り無く"
済まされていた。足りない物は買い揃えて、家族や友人達がこぞって餞別をくれた。
優柔不断かつ臆病でめんどくさがりな僕だ。「これ以上準備しても死ぬときは死ぬ」
訳の分からない、必要のない自信だ。行くと言ったからにゃ、行かねばならんのだよ。

フル装備のオートバイだ。忠告通りセルフスターター付きの物を選べばよかったと当日に後悔。
アルミのパニアは冒険者の証。これだけは外せなかった。その上に防水バック、テント、シュラフ、
バックパック、スペアのリアタイヤ。
パニアには応援してくれてる友人、ショップ、お守り、のステッカー。
震災の直後だ、両親や友人達が「Pray for Japan」「わたしたちはひとつ」「Smile from riders」等のメッセージが
入ったステッカーを沢山つけた。これを見ながら何故か少し涙ぐんだ。
大それたことは言えないが「日本からやってきた平和の使者」のつもりで走りきろう、そう思った。
大げさか?いいじゃないか。こんなに大げさな事なんか、これ以上この先の人生であんまりないだろう。
間もなく定刻と、鳥取は境港。国際船客ターミナルが近づいてきた。

見送りは僕が強がって、断った。
ほんというと鳥取に着いたらみんな待ってるんじゃないかと淡い期待をした。
甘かった。誰も居ない。
「変な期待はしない方がガッカリしない。」これは持論で極論だった。
しかし、それだけじゃない何かを、今になって体験して来たんだなと思っている。

オートバイは日本の税関がチェックをして、国際ナンバープレートに交換。
一人が「どこまでいくの?」と尋ねて来た。
僕は「ポルトガル・・」と答えたのだが、税関の職員は「それ食べ物?うまいの?」
と返さんばかりの「どこやそこは」とぶっきら棒な返答。ははは……先が思いやられるな。

オートバイは預けてしまったので、ぼんやりとターミナル(とはいっても小さなほっ
たて小屋のような所)で待機。どうせなら沢山買っても良かったんだが、かさ張るし
日本は高い。タバコの話である。
僕はハイライトが好きだ。じわっと燃えて、ツンと独特な匂い。
しばしお別れだと最後の一本。別に感慨深くはない。また戻ればいいのだから、と。
乗船迄時間がまだまだあったので、仲の良い友人達、思いつくまま電話してみた。
繋がる人も繋がらない人も、留守電になる人には「いってくるから」と残したり、
一番寂しがり屋なのは僕だった。本当に大丈夫なのだろうか。

もちろん、大丈夫。

さて、乗船の時間だ。これそんな「大げさな男」の、ちょっとした冒険の始まりなのである。




そんでまた大げさな曲。。。
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HN:
Minohara
性別:
男性
職業:
ワールドルンペン
趣味:
music & motorcycle
自己紹介:
このたびの災害により、被災または避難された皆様におかれましては、心からお見舞い申し上げます。

1986年生まれ
三年半勤めた建築写真事務所を退社後、
2011年8月27日よりオートバイで大陸に乗り込む。
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